代表者からのメッセージ
～農家さん漁師さんとつながる暮らし～
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畑と食卓をつなぐ事業を目指して
17年前の大学卒業を控えたある日、博多駅で友人とコーヒーを飲みながら将来のことを話していた時、まさに閃いたとしか言いようがない有機野菜を広める仕事。田舎に育っただけで、農家出身でもなかったのですが、今にして思えば天職を閃いた瞬間でした。
僕が農家さんと初めて仕事をしたのは2003年、25歳のときです。東京での会社勤めを辞めて神戸で有機野菜の八百屋を開業しました。店頭でファーマーズマーケットをしたり農業体験ツアーを開催したり。食べる人たちに彼らの人柄を伝えようとお客様と農家さんとの食事会を企画したりもしました。
あれから16年。事業の形は変わりもしましたが、自然や土と真摯に向き合う生産者の姿に勇気づけられながら、彼らのファンやサポーターを増やしたいという思いを持ち続けてきました。
「有機野菜を広めたい」はいつしか有機野菜を生み出す「農家さんそのものを知って欲しい」に変わり、彼らの野菜を食べてもらえるレストラン「レギューム」を開業し、その物語を伝える『兵庫食べる通信』を創刊しました。
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農と食を取り巻く課題
一方で、農業や食を取り巻く環境には課題もあります。農産物を含めた多くの食が産業化された結果「命を支える食」という大切な側面よりも、価格や見た目や品揃え、流通しやすさなどの利便性に重きが置かれ、農家は衰退・高齢化し、土壌は疲弊し、産業としても家業として成り立ちにくいものとなっています。
また都市では多くの消費者が農の現場を知らずとも一年中便利に購入できるため、畑や大地に宿るエネルギーも、人と自然のつながりも、農家の思いや苦労を知る機会もなく野菜を消費できてしまいます。このままでは畑と食卓の距離は埋まらず、農の持つ大切な部分はどんどん忘れられてしまうのではないでしょうか。
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「シェアマル」で食卓が変わることを願って
今回立ち上げた「シェアマル」は、離れてしまった「畑」と「食卓」、「農村」と「都市」、「作り手」と「食べる人」をつなげるコミュニティです。シェアマルがあなたの買い物の仕方、そして食への向き合い方を変えるきっかけになれば幸いです。
シェアマルではすべて顔の見える生産者からの食材をメンバーで共同購入する形をとります。ベテランから新規就農したての若者まで。食べものを“知り合いから買う”ということは親戚から野菜を分けてもらう感覚にも似ています。シェアマルを通じてぜひ農家さんと知り合いになってください！
また食卓で食べ物に向きあう気持ちも変わるかもしれません。この前出会った〇〇さんのお野菜だから、自然災害を乗り切った野菜への感謝、畑でお手伝いした野菜がいよいよ収穫できた...など。食への感動はなにも一流レストランや一流シェフのお料理に触れた時だけではありません。畑の情景や農家さんの苦労を思うとき、美味しさや食べられる喜びから感動が生まれるのではないでしょうか。
シェアマルは食べものを「知り合いから買う」新しい選択肢であり、「食に向き合う気持ち」を変えてくれます。日常の食卓が少しでも彩りと笑顔と喜びにあふれるものになりますように。あなたのご参加をお待ちしています。
光岡 大介
プロフィール
1978年生まれ佐賀県出身。大阪大学工学部で環境工学を専攻。
会社勤めを経て2003年に神戸市で有機野菜の八百屋を開業。
オーガニックカフェや兵庫県の有機野菜のアンテナショップ運営に携わった後、2011年に生産者とともにファームアンドカンパニー株式会社を設立し西宮市にて「野菜ビストロレギューム」を開業。
2015年、食べもの付き情報誌『兵庫食べる通信』を創刊し編集長に就任。2017年より西宮市農業委員会 農業委員。
2018年に県内の農漁業者と「兵庫県ローカルフードシェアリング推進協議会」を設立し、シェアマル＠西宮の運営を開始。